熱い胸騒ぎ

しがないサラリーマンの日々の出来事を徒然なるままに書いてゆきます

俺は頑張らない

ハ・ワン著『危うく一生懸命生きるところだった』を読んだ

 

韓国でベストセラーになった、フリーのイラストレーターによるエッセイ

 

なんだか力の抜ける表紙イラストで、内容も期待を裏切らない脱力具合だ 

 

「くだらない競争からはさっさと降りて、肩の力を抜いて気楽に生きようぜ」

 

そんなことを教えてくれる

 

「いい大学に入れるか」「大企業に入れるか」「誰がいち早く出世するか」「誰がいち早く結婚して子供を産むか」

 

僕たち現代人は、こんな誰が考えたのかもよくわからない、「誰が一番に〇〇できるでしょうか大会」に知らず知らずのうちに参加させられている

 

僕も勿論この大会に巻き込まれたひとり

 

周りに負けないように勉強し、そこそこの大学に入り、安定した公務員という職業に就くことができた

 

ようやく一休みできると思ったら、社内でも仕事の出来不出来、出世、結婚といったことで周りと比べられる

 

そして僕自身、世間の空気に飲まれ、常に周りの人間と比べてしまう

 

「俺はあいつより劣ってないか?」「あいつよりは全然マシだから大丈夫だ」とキョロキョロして一喜一憂する日々

 

やりたいことや言いたいことがあっても、周囲の評価を気にしてなかなか一歩踏み出せない

 

 

俺の人生、ずっとこの調子で続くのか…

 

 

そんなことを思っていたある日、この本と出会う

 

「さぁ、頑張らないでリラックスしよう。

 

やりたいことがあるなら、恐れず一歩踏み出してみよう。転んだとしても何事もなかったかのように起き上がればいい。

 

大丈夫。うまく起き上がれるよ」

 

 

泣けるほど勇気を貰えた

 

 

「他人を気にすることなく、自分らしく生きるんだ」

 

「ダメな自分を愛してやれ」

 

「期待や理想のハードルを下げて、何気ない日常に幸せを見出せ」

 

ワンさんは他人のモノサシで右往左往する僕に大切なことを教えてくれた

 

昔読んだ、『嫌われる勇気』にも似たようなことが書いてあったっけ

 

「自己受容」と「課題の分離」の考え方をワンさんも身に付けているんだろう

 

頭では人と比べていいことなんて一つもないと分かっているつもりだったが、気付いたら魑魅魍魎が蠢く競争社会の一員になっていた

 

自分のダメさ加減を認めて、開き直って生きるのはとても勇気がいる

 

今まで読んできた自己啓発本にも似たようなことは書いていたし理解したつもりだったが、しっかりと自分の人生に落とし込めていなかった

 

もっと明確に意識し実践していかなければ、この悟りの境地には辿り着けないんだろう

 

ワンさんは何度も失敗しながらも、自分と向き合うことを辞めなかった

 

周りに流されそうになるところを踏みとどまって、自分の頭で考えていた

 

きっとそこが僕と彼の違いなんだろうな

 

僕は自分との対話が圧倒的に足りていない

 

なんとなくボーっと流されて生きてきたツケが、今になってまわってきたんだろう

 

これからは周りに合わせて頑張ることなく、恥や外聞を捨てて自分らしく生きよう

 

失敗上等!俺なんて元々大した人間なんかじゃない、期待値を下げて自分らしくテキトーに楽しく生きていければいいじゃないか!

 

常にこう自分に言い聞かせていこう

 

 

人生において大切なことを思い出させてくた素晴らしい一冊でした

 

あぁ、危うく一生懸命生きるところだった…